子供の栄養バランスを考えて、毎日一生懸命ご飯をつくっているのに、どうしても食べてくれなかったり、かんしゃくを起こしたりしていませんか?
成長の一段階とはわかっていても、食べてくれない期間が長く続けば、ご飯をつくる親御さんは心配になったり、いら立ったり、悲しくなったりもするものです。
そこで今回は、子どもの好き嫌いに悩む親御さん向けに「子供の好き嫌いと向き合う!放置しない理解と対応のコツ」ついて詳しく紹介し以下に関する情報をまとめてみました。
- 子どもの「好き嫌い」の種類と特徴について
- 放置しない!向き合い方について
- 子供の好き嫌いの対応のコツについて
少しでも参考になれば幸いです。
では、ひとつずつみていきましょう。
子どもの「好き嫌い」の種類と特徴

子供の好き嫌いは成長過程で一般的な現象です。
これは彼らが新しい食べ物や環境に対して興味を持ち、自己主張をする方法の一つです。
親が理解し、適切に対処することが大切です。
生まれつきの「好き嫌い」
味覚には、基本五味といって『苦味』『酸味』『甘味』『塩味』『旨味』がありますが、子どもには生まれたときから本能的に苦手とする味わいがあります。
『苦味=毒を含んでいる危険な食べ物』、『酸味=腐敗した危険な食べ物』と認識する本能があるため、幼い頃はこのふたつの味わいが苦手な子どもがほとんどです。中でも、苦味はほんの少量でも感知することができるため、幼いうちはとくに敏感です。
反対に、甘味・塩味・旨味はタンパク質を構成するアミノ酸やナトリウムなど、生きていくうえで必要なエネルギー源となる栄養素なので、好意的に摂取する傾向があります。
ただ、濃すぎる塩味の摂取は体内での塩分濃度の調整がうまくいかなくなるので、苦手に感じるよう味覚で調整されているのです。
ですから、ひと言で『好き嫌い』と言っても、まだその子の味覚の成長が、本能的に苦手だと感じる味を受け入れられる段階にないために食べられないという可能性も考えられます。
このような本能的な『好き嫌い』は、生きていく中でいろいろな味を経験することで味覚が成長し、嗜好が変化していきます。
たとえば、大人になって『ブラックコーヒーが飲めるようになった』というように、昔は飲めなかったものが受け入れられるようになるのには、そういった背景があります。
幼児期からの感性による「好き嫌い」
先ほどの生まれつきの本能とは別に、『個人の感性による好き嫌い』が幼児期から始まります。3歳を過ぎた頃から始まって、5歳くらいでハッキリと嫌いなものを意思表示するようになります。
しかし『好き嫌い』といっても、その食べ物が嫌いな理由にはさまざまなものがあります。
子どもの好き嫌いの傾向と理由
味覚による「好き嫌い」
「苦い味がするから嫌い」「すっぱいから苦手」「しょっぱすぎて食べられない」など ⇒人間に本能的に備わる危機管理能力として苦手とすることが多いです。
食感による「好き嫌い」
「グニャグニャしたものがダメ」「ドロッとしたものが苦手」など
見た目による「好き嫌い」
「見た目が気持ち悪い」「嫌いなものを連想させる見た目」など
トラウマによる「好き嫌い」
「食べた後に気分が悪くなり、食べられなくなった」など
食べる工程による「好き嫌い」
「魚の小骨を取るのが面倒だから食べたくない」「スイカのタネを取るのが面倒くさい」など
その他
「お友だちが嫌いと言っていたから自分も食べない」「食べたい気分じゃない」「環境(お母さんがつくったものは拒否できる)」など
このように、さまざまある『好き嫌い』の理由を大人が理解していないと、良かれと思ってとった行動が裏目にでる場合もあります。
ですから、その子がなぜその食材を嫌いなのかを理解することや、それを知ったうえで大人がどう対応するかが、その後の『好き嫌い』や親子関係、さらには人格形成にまで影響します。
放置せずに向き合う

子供の好き嫌いを放置せず、向き合うことが大切です。放置すると、子供は栄養バランスを欠き、健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
親は子供の好き嫌いを理解し、対話を通じてコミュニケーションを深め、協力的な関係を築くことが重要です。
また、子どもの好き嫌いを直したいときは、気を付けるべきことがいくつかあります。
苦手な食べ物やメニューに対して子どもがさらにネガティブな感情を持たないように注意が必要です。
無理に食べさせることは避ける
子どもの好き嫌いを直したいからといって、無理に食べさせることは避けた方がよいでしょう。嫌いな食べ物をますます苦手に感じてしまう可能性があります。
叱ったり無理強いしたりせずに、ポジティブな働きかけを心がけましょう。
強い偏食傾向にある場合は感覚過敏の可能性がある
強い偏食傾向にある場合は、感覚過敏の可能性もあるかもしれません。
好き嫌いではない場合もありますので、深刻な場合は小児科などで一度相談してみるとよいでしょう。
子どもの気持ちを受け止める
子どもの好き嫌いは親としては心配ですが、子どもの気持ちを受け止めることが大切です!
好き嫌いを否定すると嫌な思い出になる恐れもあるので、まずは子どもの好き嫌いの理由を聞いてあげるとよいでしょう。
一口でも食べられたら褒める
子どもが嫌いなものを一口でも食べられたら褒めることも重要です。「食べられたね!」「頑張ったね!」と褒めて少しずつでも食べさせることで、その味に慣れて好みが変わる可能性もあります。
褒められることで子どもは達成感を得られるうえ、心の成長にもつながります。
子供の好き嫌いに対する対応のコツ

ここからは、子どもの好き嫌いに対する対応のコツを紹介いたします。
子どもの 年齢や様子に合わせて、焦らずゆっくり試して みてくださいね!
新しい食べ物へのアプローチ
新しい食べ物に対する抵抗を減らすために、子供と一緒に料理をしたり、家庭で育てる体験をしませんか?
ミニトマトやピーマン、ブロッコリー、スナップエンドウなどの苗は手に入りやすく、プランターでも育てられます。 毎朝の水やりを日課に、大きくなったら支柱を立てたり不要な芽を取ったりして、大切に世話をすれば愛着がわきますよ。
野菜の生長を写真に残すのもいいですね。花が咲いてどんどん実が大きくなる様子を、親子でワクワクしながら観察しましょう。
子ども自身が 実を収穫して味わえば、その野菜が好きになるかも しれません。
また、料理に参加することで、食材に興味を持ち、自ら試す意欲が湧いてくることがあります。
楽しい雰囲気と言葉かけ
親子で食事の時間を楽しむことも大切です。
子どもが 苦手な食材をひと口でも食べたら大げさにほめる 、親が「ニンジンはきれいな色だから大好き~」とニコニコしながら食べる、食材を擬人化して「僕だけ食べてもらえないのは寂しいな~」と言うなど、子どもの気を引くような楽しい雰囲気を作ってみましょう!
また、ときには床にレジャーシートを敷いて、ピクニックのような演出をしてみるのもいいでしょう。
友だちや祖父母を呼んで、にぎやかに楽しく食べると食欲が出ることもあります。
苦手な食材を食べさせることばかりにこだわらず、 「食事そのものが楽しい」「皆で食べるとおいしい」といった気持ちを育んでいきましょう!
無理強いを避ける
子供の好き嫌いに対して無理強いをすることは避けましょう。
無理に食べさせることで子供が食べ物に対するネガティブなイメージを持ってしまう可能性があります。親は子供のペースを尊重し、無理なく受け入れられる方法を見つけることが大切です。
食事中に親に怖い顔で監視されたり、「早く食べなさい!」「何で残すの!」などと怒鳴られてはおいしく食べられませんね。
さらに、好き嫌いがある子に対して「ちゃんと食べないとお化けが出るよ」「もう遊園地には行かないからね!」などと 脅したり、罰を与えたりするのも良い方法ではありません。
成長してからも嫌な思い出として残り、食生活に影響が出るかもしれません。 食事の時間は楽しく過ごせるような工夫が大切です 。
子供の成長と共に変化する好き嫌い

子供の好き嫌いは成長とともに変化することが一般的です。ゆったりと構えて取り組みましょう。
また、ある食べ物が今は嫌いでも、将来的には好きになる可能性があります。親は子供の興味や好奇心を尊重し、柔軟に対応しましょう。
「好き嫌い」を改善するために、親が気をつけるべきこと
たとえば、『家庭では食べないけれど、学校では食べる』という現象があります。
これは、“お母さんのつくったご飯は残しても大丈夫”といった甘えや慣れで食べなくなっている場合、環境が変わって友達と一緒だと食べられるということがあります。
そのほか、考えられる理由として多いのが、無意識に大人が『あなたはこれが嫌いだよね』と子どもに思い込ませてしまっている可能性もあります。
子どもにとって、大人の存在はとても大きいものです。
ですから、子どもが聞いている前で『この子、野菜が食べられないの』と保護者同士で話してしまうと、その言葉によって『自分は野菜が食べられない』と思い込み、『野菜』というカテゴリ全般を食べなくなってしまうことがあるので、気をつけましょう。
まとめ

いかがだったでしょうか?
この記事でのまとめは以下の様になります!
- 子どもの「好き嫌い」には生まれつきのものと、感性によるものがある。
- 子供の好き嫌いを理解し、子どもの気持ちを受け止めることが大切!
- 子供と一緒に料理をしたり、家庭で育てる体験をしてみる。
- 親子で食事の時間を楽しむことも大切!
- 子供の好き嫌いに対して無理強いをすることは避ける!
子供の好き嫌いは、自己主張をする方法の一部です。
親は子供の好き嫌いを理解し、受け入れながら、健康的な食習慣を育む手助けをすることが大事です。
また、食べ物だけではなく、食べる環境もとても大切です。楽しみながら食べることで、食べ物との思い出をより良いものとして、その子に定着させてあげてください。
大切なのは、嫌いだということを大人が決めつけてしまうのではなく、『いつか食べられるようになったらいいね』という長い目で見ることです。
きっと、親も子ももっと気楽に受け止めて考えられるようになり、『好き嫌い』を克服できる環境を自然とつくれるようになると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。