新生児の授乳の後のゲップで苦労されている人は多いのではないでしょうか。
一般的な背中をトントンしたりさすったりする方法以外に、左脇腹をさする方法がある事を聞いた事があると思います。でも、あまり知られていませんし、助産師さんなどから教わらない方法です。なので、どのようにしたら良いのかよく分かりませんよね。
そんなあなたに、左脇腹をさすってゲップを出させる方法をしっかりとお伝えしますね。もしかすると、左脇腹をさすってみても上手くゲップを出せないかもしれません。でも、安心して下さい。
ここでは、左脇腹をさする以外のゲップへの対処方法もご紹介します。赤ちゃんに合ったゲップの方法を一緒に見つけていきましょう。
Contents
左脇腹をさすって新生児のゲップ出す方法
それでは、さっそく左脇腹をさすってゲップを出す方法をご紹介します。落ち着いてこの順番にやってみましょう。
- 赤ちゃんを太ももに乗せる。
- 赤ちゃんが自分の右側を向くように向きを変える。
- 右手で赤ちゃんの左脇腹を持って支える。
- 左手で左脇腹を下から上にさする。
- たまに、右手で脇を支えたまま、顎を上げる。
赤ちゃんを太ももに乗せる時は、自分の足の付け根付近に赤ちゃんのお尻が来るように置きます。
そして、赤ちゃんの向きを変えたら、赤ちゃんの右側が自分のお腹側に来ているか確認しましょう。左脇腹が外を向いていないとさすり難いですよね。
最後に右手で顎を上げるのですが、手の使い方が重要になります。右手の中指、薬指、小指で脇を、親指と人差し指で顎を持ちます。
左手は赤ちゃんの首をしっかり支えて、体が真直ぐに起きるようにしましょう。
いかがでしょうか。縦抱きの方法をちょっとアレンジすれば、簡単に挑戦してみる事ができますね。
でも、ただ横向きに座らせて左脇腹をさすればいいかというとそうではありません。
ゲップを出やすくするためには大事なポイントがあります。ポイントをつかんでやる事が重要になりますので、しっかり押さえていきましょう。
これからのご紹介するポイントは他の方法でも共通して大事になってきます。もしかすると、今までは上手くポイントを掴めていなくてゲップが出せていなかっただけかもしれませんよ。
【ポイント1】必ず下から上に手を動かしてさする
ゲップのために赤ちゃんをさする方向は、必ず下から上にしましょう。
ゲップは胃に溜まった空気を外に出す動きです。新生児はまだ上手に出来ないので、その手助けをする為に、背中をトントンしたりさすったりします。
空気がお腹の中でどのようになっていて、どうしたら外に出やすくなるかイメージする事が大切です。下から上に空気が胃から食道に上がっていくように上手に手助けをしてあげましょう。
足のむくみを取る時は、血行やリンパの流れを良くするために下から上になでてマッサージをしますよね。赤ちゃんの便秘解消のために行う”の”の字マッサージも、大腸の動く方向にあわせて手を動かします。
これらは体の中のモノを移動させるためのマッサージですよね。ゲップも同じで、体の中の空気を動かしたい方向にマッサージをしましょう。
【ポイント2】食道を真直ぐにする
食道を真直ぐにすることも、空気がスムーズに上がる為にはとても重要です。曲がっていると、どうしても空気の通りが悪くなってしまいます。少しでも空気の抵抗を無くすために、右手で左脇腹を支える際は、食道を真直ぐにすることを意識しましょう。
【ポイント3】体の傾け具合を調整する
縦抱きの時の体の傾け具合を調整しましょう。
これが一番難しいのですが、食道を真直ぐにしたまま前屈みにしてみたり後ろに少し反らせたりしてみて、どの角度ならゲップが出やすいか試してみましょう。
引用:赤ちゃんの嘔吐
実は、胃の入り口から食道に行く角度は人によって違います。上の図のHis角という所がその角度になります。なので、とても難しいですが色々と傾け具合を調整してみて赤ちゃんにあった傾け具合を見つけてあげなければいけません。
ゲップが出たらホッとしてしまいがちです。しかし、忘れずにゲップが出た時の体の傾け具合を覚えておきましょう。その傾け具合が赤ちゃんにとってゲップが出やすいベストな角度かもしれません。
どうして左脇腹をさすると新生児はゲップをするの?
では、どうして左脇腹をさするとゲップが出やすくなるのでしょうか。
理由は胃が体の中心より左側にあるからです。左脇腹をさする事で、直接胃に程よく圧力をかけてあげる事ができます。
赤ちゃんはまだ体が十分に発達していないため、自分でお腹に上手く力を入れる事ができません。なので、ゲップを上手に出すには赤ちゃんの負担にならないように胃に圧力をかけてあげる事も大事になってきます。
ゲップを出す方法として、肩に担ぐやり方がありますよね。肩に担ぐ事で赤ちゃんのお腹が大人の体と密着します。そして、密着する事によって胃に自然と圧力がかかってゲップが出やすくなります。
また、うつ伏せでゲップを出す方法も同じです。うつ伏せにしてあげる事で、赤ちゃん自身の体の重さで胃に圧力がかかってゲップが出やすくなります。
ただし、いくら胃に圧力をかける事がいいと言っても、かけ過ぎると赤ちゃんが辛くなってしまったり、ミルクを吐いてしまいます。あくまでも左脇腹をやさしくなでる程度にしてあげましょう。
【ゲップが出ないのは新生児特有の理由も】左脇腹がダメだった時は?
左脇腹をさする方法を試しても、それでもゲップが出ないかもしれません。そんな時は、ゲップをさせるのを諦めてしまっても問題ありません。
ゲップは必ずしもさせなければいけないものではありません。ゲップが出なくでも、病気や疾患につながる可能性はとても低いのです。
ゲップが出ない理由は次の事が考えられます。
- 赤ちゃんが生後間もないから
- 左脇腹をさする方法が赤ちゃんに合っていないから
- 空気を飲み込んでいないから
なので次の場合は、ゲップを諦めてみてもいいでしょう。
- 5分くらいしてもゲップが出ない。
- 授乳中に寝てしまった。
中には20分もゲップをさせようを頑張る人もいます。しかし、長時間トントンされたり、なんども体勢を変えさせられたりしていると赤ちゃんは疲れてしまいます。疲れてしまって、グズってしまうと赤ちゃんの為になりません。
「そのうち上手にできるようになるといいね。」
という気持ちで、できなかった時は思い切って諦めてしましょう。
では、ゲップが出ない理由について詳しく確認していきましょう。
赤ちゃんが生後間もないから
新生児はゲップが下手です。
産まれてすぐで、何事も初めてすることだらけです。ゲップも上手に初めからできません。大人も一緒で、初めて授乳してゲップをさせるのですから上手にできなくて当たり前です。
生後間もない新生児の体は、しっかりしていなくてぐにゃぐにゃで、抱っこも怖いくらいですよね。そうなると、ゲップを上手に出す為の姿勢を保つのも難しいです。
そのうち体がしっかりしてきて、ゲップを出す為の姿勢を上手に保てるようになります。そうすると、ゲップを出させるのも簡単になってくるでしょう。
お互いに上手にゲップが出せるようになってくるのを、のんびり待ちましょう。
左脇腹をさする方法が赤ちゃんに合っていないから
残念ながら左脇腹をさする方法が赤ちゃんに合っていないのでしょう。
赤ちゃんにも個性があります。他の子では上手くゲップを出せても、その子には合っていないのです。根気よく、赤ちゃんに合った方法を見つけてあげなくてはいけません。
ただ、諦めるのはまだ早いです。先ほどご紹介したゲップを出す為のポイントは、他の方法でも使う事ができます。是非、今までやっていた方法をポイントを意識してもう一度やってみましょう。
今までの方法が赤ちゃんに合っていたのに、やり方が悪くてゲップを出せなかっただけの可能性もありますよ。
空気を飲み込んでいないから
完全母乳の場合は、そもそも空気を飲み込んでいない可能性があります。
赤ちゃんは上手におっぱいを飲めていると空気は飲み込まずに、母乳のみを飲んでいます。
上の図のようにしっかりを乳首をくわえて母乳を飲むと、口の中に空気が入りません。なので、空気を飲み込まずゲップをする必要がないのです。
新生児であっても母乳を上手に飲める子はいるので、この理由に当てはまっているのかもしれません。
ただ一般的に、母乳を上手に飲めるようになるのは、生後2カ月から3カ月頃と言われているので、今後、更にゲップが出にくくなるかもしれないことも知っておいてくださいね。
月齢が進むにつれてゲップがより出なくなってしまっても、母乳が上手に飲めているのかな?と考えることができて、慌てずにすみますよ。
新生児の左脇腹をさすってもゲップが出ない時の対処法
ゲップが出ない時の対処法を確認していきましょう。
ゲップをさせなければいけない理由は、吐き戻しの防止です。なので、吐き戻しの問題さえ解決できればゲップをさせずに寝かせても大丈夫です。
ゲップは出なくても大丈夫ですが、次の事は赤ちゃんの安全のために必要になりますので守りましょう。
- しばらく縦抱きにする。
- 横向きに寝かせる。
- 頭を高くして寝かせる。
- しっかりオナラをしているか確認する。
- ミルクの場合は哺乳瓶を工夫する。
それでは、ひとつずつ確認していきましょう。
しばらく縦抱きにする
いろいろやってもゲップが出ない時は、暫く縦抱きにして様子を見ましょう。
空気は、ミルクよりも軽いので胃の上の方に溜まっています。なので、胃の上の方に溜まった空気が自然に食道の方に移動してゲップが出る事があります。もう少し月齢が進むと、縦抱きにしているだけでゲップが出せるようになる子もいるくらいですよ。
また、すぐに寝かせてしまうと胃に溜まったミルクが吐き戻されてしまいます。吐き戻し自体は悪い事ではなく赤ちゃんにとって自然な事ですが、極力減らしてあげたいですよね。
暫く縦抱きにして、胃にあるミルクが腸に移動するのを待ってあげましょう。
横向きに寝かせる
暫く縦抱きにした後、機嫌がいい場合は横向きに寝かせましょう。ゲップが出ていない時は絶対に仰向けに寝かせてはいけません。
ゲップが出ていないと吐き戻しをする可能性が高くなります。仰向けで寝ていた時に吐き戻しをしてしまって、万が一戻したものが気管に入ってしまうと窒息をしてしまうかもしれません。なので、かならず横向きで寝かせてあげましょう。
横向きにする時は、右側が下に来るようにしましょう。胃の入り口は左側にあるので、右側を下にして横向きにする事で、空気が胃の入り口付近に集まりやすくなりますよ。
この時、何もしないで横向きに寝かせると仰向けに戻ってしまいます。背中にタオルなどを丸めて置いておくと横向きの姿勢をキープする事ができてオススメです。そして、吐いてしまった時の為に口元にはタオルやガーゼを敷いておきましょう。
ただし、横向きの姿勢は、吐き戻し防止のためですので30分くらい経ったら仰向けに戻してあげましょう。長時間の横向き寝は股関節脱臼の心配があります。
新生児の足はM字型に開脚している状態にしておく必要があります。仰向けの場合は自然と足がM字になるのですが、右下になるように横向きにすると左足が縦膝のようになってしまいます。
そうなると股関節脱臼になりやすくなる可能性が高くなってしまいますので、30分くらいしたら仰向けに戻してあげましょう。
もしも、グズっているような場合はお腹にガスが溜まっていて辛いのかもしれません。もう暫く縦抱きのままでいてあげてくださいね。
頭を高くして寝かせる
横向き寝が苦手な子の場合は、頭を高くすれば吐き戻しを防止できます。クッションやタオルを背中から頭の下に置く事で、頭を高くして寝かせてあげましょう。
また、30分くらい横向き寝をしていれば、吐き戻しの心配はかなり減ります。それでも吐き易い場合は、頭が高くなるように横向きの姿勢から仰向けにしてあげるといいでしょう。
しっかりオナラをしているか確認する
しっかりオナラをしているかどうかも、確認できればより安心でしょう。
出なかったゲップはどうなるかというと、空気が腸を通ってオナラとして体の外に出ます。なので、ゲップがでなくても、きちんとオナラをしていれば問題ありません。
ゲップが出なくてオナラもあまり出ていない場合や、お腹が張っていて赤ちゃんが辛そうでしたら注意してください。そんな時はお腹に”の”を書くようにマッサージをしたり、足を自転車を漕ぐように動かしてみましょう。腸を刺激してオナラが出やすくなります。
ミルクの場合は哺乳瓶を工夫する
そもそも、空気を飲み込まないようにしてあげる事も手です。哺乳瓶や飲ませ方を工夫する事で、空気の飲み込む量を減らしてあげましょう。
ベッタ (Betta) ドクターベッタ哺乳びん ジュエルのようなカーブタイプの哺乳瓶は、飲む時にできる気泡がカーブに沿って上の方に行く設計になっているので、空気を飲み込みにくくなっています。
飲ませる時は、乳首をしっかりくわえさせるようにしてください。赤ちゃんの舌に乳首をのせて、しっかり奥まで口に入るようにしましょう。
哺乳瓶の角度は飲む時に空気が入らないように、乳首付近がミルクで満たされるように調整します。平行より斜め上になるようにして与える事で、空気を飲み込む量を減らしてあげる事ができますよ。
試してみて!左脇腹をさする以外の新生児のゲップを出す方法
左脇腹をさする方法以外にも、いろいろなゲップのさせ方があります。左脇腹をさする方法でダメならいろいろと試してみて、赤ちゃんに合ったやり方を見つけてあげましょう。
ここでは、次の3つの方法をご紹介します。
- 寝かせて起こす
- 体を回して揺らす
- 縦抱きで散歩する
あなたの負担にならない方法を、ぜひ試してみてくださいね。では、やり方を詳しく説明していきます。
寝かせて起こす
まず、一度赤ちゃんを横向きに寝かせます。そして、赤ちゃんを起こして抱っこします。次に、最初とは反対向きに横向きに寝かせます。
たったこれだけですが、ゲップが出る事があります。
寝かせたり、起こしたりすると胃の中で空気が動きます。胃の中で空気が動く事でゲップが出やすくなるのです。
体を回して揺らす
まず、赤ちゃんの首をしっかり支えて太ももの上に座らせるようにします。首を支えていない方の手は、しっかり赤ちゃんの顎を持ってあげます。
次に、ゆっくり、優しく赤ちゃんの上半身を回してあげます。あくまでも、ゆっくり、優しくです。新生児の体はしっかりしていませんので注意して下さいね。
体を2~3回ほど回したら、太ももをゆらしてあげます。ゆらしてあげる時も、激しくならないように注意しましょう。
こちらのポイントも胃の中で空気を移動させる事です。空気を移動させて、ゲップを出すきっかけを作ってあげましょう。
縦抱きで散歩する
そんな事と思うかもしれませんが、やってみましょう。縦抱きのまま家の中を散歩をすると、歩いた時の振動が赤ちゃんの胃にも伝わります。
いろいろ話しかけながら歩き回るうちに、胃の中の空気が移動してゲップが出てくるかもしれません。
【まとめ】新生児のゲップは左脇腹をさすって攻略しよう
いかがでしたでしょうか。左脇腹をさする方法が赤ちゃんに合うといいですね。きっと、いままでの方法は赤ちゃんに合わなかったのでしょう。でも、左脇腹をさする方法が合わなくてもがっかりしなくてだいじょうぶですよ。
赤ちゃんにも個性があります。
それぞれの赤ちゃんに合った、ゲップとの付き合い方をしましょう。この記事で紹介した、赤ちゃんとのゲップの付き合い方がこちらです。
- 色々試してその子に合った方法を見つける。
- ダメな時は諦めて安全のためにできることをやる。
ゲップは今は新生児で上手に出来ていませんが、月齢が進むにつれて上手に出来るようになってきます。のんびりした気持ちで、絶対に出さなきゃという意気込みは程々に、いろいろ試してみましょう。