お子さんの食事の変化を考えたとき、下の子は離乳食が始まるけど、上の子はまだ幼児食というママさんも多いのではないでしょうか?
改めて現状に気づいて計算してみると、仕事の復帰のタイミングでもまだまだ食事の準備が大変で、ショックに感じることもあるでしょう。
幼児食の準備って本当に大変ですよね。
できる事なら、早く大人と同じものを食べさせたい。でも、幼児食は薄味と言われているので全く同じ料理は出せません。特に塩加減には気を使うのではないでしょうか。
反対に大人が同じものを食べれば楽なのですが、味が薄くて大人にとっては美味しくないですよね。「どうしても、旦那さんには美味しい料理を食べてもらいたい!」そう思うと幼児食を別に用意しなくてはいけません。
でもお子さんが大きくなって幼児食が、大人とほぼ同じ内容になってくれれば、少しは気が楽になりますよね。
では、いつまで薄味の幼児食を続けたらいいのでしょうか。また、どのくらい塩加減に気を付けないといけないのでしょうか。
Contents
薄味の幼児食はいつまで続けたらいいの?どのくらい薄味にしたらいいの?
薄味の幼児食はいつまで続けたらいいの?
薄味の幼児食は3歳頃まで続けた方が良いと言われています。
離乳食と違って、ついつい同じでも大丈夫かな?と与えてしまいたくなります。2歳頃になると大人が食べているものを「ちょうだい」と言われる事が増えるかもしれません。そんな時も3歳頃までは薄味の幼児食を用意するようにしましょう。
薄味の幼児食の塩加減はどのくらいにしたらいいの?
それでは薄味の幼児食の味付けにするために、覚えておきたい方向性を3つ紹介します。
「甘味」「旨味」「塩味」の中で一番気を使うのが「塩味」です。まだ上手に体外に塩分を出す事ができないので、塩分には特に気を付ける必要があります。では、塩加減をどのくらいにしたらよいのでしょうか。
1食あたりの食塩の量は?
塩分は0.5%以下が目安になります。1食あたりだと食塩は1g以内がベストです。
良く使う調味料の食塩1gは
- 醤油 小さじ1
- 味噌 小さじ1と1/3
- 麺つゆストレート 大さじ2
ただし、「なるほど。そうしよう!」と実践するのは難しいですよね。味付けの違うおかずが2品あったら?味噌汁を付けたら?調味料を2種類使ったら?そんなの栄養士ではないのに分かりません。
なので、上記はだいだいの目安にして大人の料理の1/3~1/2くらいの味付けを意識してみましょう。
少量でも味の濃い調味料は控えよう
いくら少量の使用でも、味付けにケチャップ、マヨネーズ、ソース、ドレッシングなど、味の濃い調味料を使うのは良くありません。ケチャップ味、マヨネーズ味になってしまって素材の味がわかりにくくなってしまいます。味覚の発達に良くありません。
「甘味」「旨味」と「塩味」を合わせる事でおいしく
子供は「甘味」「旨味」「塩味」は得意です。ただし、「塩味」を強くしてしまうと消化に負担がかかりますので幼児食は「甘味」「旨味」を上手く引き出すようにしましょう。
「甘味」「旨味」を感じるようにすると「塩味」がなくても十分に美味しい料理になります。さらに、味覚の発達にも役に立ちます。
子供は、味蕾が多い分「酸味」「苦味」が苦手です。ピーマンが苦手な子供が多いのも、ピーマンの苦みを強く感じてしまうからなのでしょう。大人になったら食べられるようになるのも納得ですね。
ビールを美味しく飲めるようになると「大人になったな」と感じます。大人になって、味蕾の数が減り「苦味」の感度が鈍ったからビールが美味しいんですね。
美味しい幼児食は「甘味」「旨味」がポイントになります。
ここで気を付けてもらいたいのが「甘味」です。「甘味」を加えるために砂糖を使用するのは控えましょう。砂糖の取りすぎは虫歯や肥満の原因になってしまいます。子供の大好きな「甘味」はサツマイモやカボチャなど、甘味の強い食材を上手に取り入れましょう。
「旨味」を味わう一番のお薦めは和風出汁です。昆布、煮干し、シイタケ、鰹節と和風出汁でもいろいろな味を楽しむ事ができます。出汁を取るのは出汁パックが簡単でベストです。
市販の顆粒出汁は手軽ですが、塩分が含まれていますので気を付けましょう。
【幼児食は薄味な理由】どのくらい重要か確認必須!濃い味付けの影響はいつまでも続く
では、どうして幼児食は薄味にしないといけないのでしょうか。薄味にしなくてはいけない理由は大きく2つあります。
- 子供の消化機能に負担がかかるから
- 味覚は3歳までに決まるから
それでは、それぞれの理由を説明します。
子供の消化機能に負担がかかるから
1歳半から3歳までの子供の消化機能はまだまだ未発達です。大人と同じ消化機能になるのは8歳頃と言われています。なので、大人と同じ食事だと消化機能に負担がかかってしまいます。
特に塩分は腎臓が十分に発達をしないと、体外に上手く出せません。なので、特に塩分には気を付ける必要があります。
また、味の濃い食べ物は塩分だけではなく糖分も多く含まれています。味の濃い食事ばかりをたべていると、子供であっても高血圧や糖尿病になってしまうかもしれません。
味覚は3歳までに決まるから
味覚は3歳までにほぼ決まると言われています。
人生の中で一番脳が成長するのが3歳までです。そして外部からの刺激を味として記憶する脳の機能は、3歳頃には完成すると医学的に考えられています。そんな大事な時期だからこそ、将来細やかな味の違いがわかるようになるためには、素材そのものの味を色々体験出来るように薄味にする必要があるのです。
味覚とは何?
では、3歳までにほぼ決まると言われている「味覚」とは何でしょうか。
味覚とは舌にある味蕾という器官が感じる「甘味」「旨味」「塩味」「酸味」「苦味」のことです。意外に思うかもしれませんが、「辛味」は痛覚や温感が刺激されて感じているので味覚ではありません。
舌にある味蕾が多ければ多いほど、味覚が敏感になります。味蕾の数は生後3カ月頃が一番多いと言われていて成人の約1.3倍もあります。なので子供は味にとても敏感なのです。
母乳・ミルクから離乳食、離乳食から幼児食へと色々な味覚を経験していく中で味覚が発達し3歳までにほぼ決まります。濃い味付けですと素材の味が分からず、味覚を刺激する事ができません。味覚を刺激するためにも薄味の幼児食が重要なのです。
さらに味覚は10歳ごろまでは発達を続けますので、3歳を過ぎても薄味の食事を続けるとより味覚を発達させる事が出来ます。
幼児食が終わっても、素材の味が分かる薄味の食事を心掛けることは味覚の発達にとても良い働きをします。どんどん味覚を刺激させて子供の味覚を発達させましょう。
【薄味の幼児食を続けるポイント】いつまで、どのくらいが分かったら無理なく続けよう!
薄味の幼児食がとても大事だという事は分かりましたが、幼児食と大人用の食事の2種類を用意するのが大変なのは事実です。
そこで、簡単においしい薄味の幼児食を作るポイントや手間をなくす方法をご紹介します。大変な時は愛情をたっぷり込めて手間を抜きましょう!
薄味でも食べてもらうための工夫
よくありますよね。こんな時は、ケチャップを追加…ではなく違う方法で食べてもらいましょう。
ちょっと工夫するだけで、美味しくなったり楽しくなったりして食べてくれるはずです。今回は4つご紹介しますので、是非試してみてください。
- 香りを楽しむ
- 食感を工夫する
- 見た目をかわいく、楽しくする
- 料理を一緒に作る
まずは香りを楽しんでみましょう。出汁の匂いはとてもいい匂いです。少し手間はかかりますが、鰹節などで出汁をしっかり取るとそれだけでもごちそうになります。「旨味」も一緒に味わえて一石二鳥です。
炊きたてのお米の匂いも食欲をそそります。炊飯器の焚き上がりの音が聞こえたら、お子さんと一緒に炊飯器を開けて匂いを楽しんでみましょう。小さいおにぎりを作って、すぐに一緒に食べてもいいですね。
味や匂いも大事ですが食感を工夫することも大事です。味ではなく食感が嫌いという事もあります。大人でもネバネバした料理は苦手という人がいますよね。やわらかく煮たり、わざと歯ごたえを残したりして変化を持たせると気に入ってくれるかもしれません。
さらに、料理方法ではなく見た目を楽しむようにするのもいいでしょう。クッキーの型を使って野菜を星やお花の形にくり抜いてみたり、お子様ランチのように旗を立ててみたりすると楽しくなります。
かわいいお皿を使うだけでもいいですね。これだと簡単です。一緒にお店でお気に入りの食器を探すのも楽しいです。
時間がある時は料理を一緒に作ってみましょう。野菜を洗うだけ、サラダにミニトマトをのせるだけでもいいと思います。料理中にカットした野菜をそのままつまみ食いしてもいいですね。
先ほど挙げた野菜の型抜きや、お子様ランチのような飾り付けも是非お子さんと一緒にやってみましょう。自分で作った特別なごはんは、きっとパクパク食べてくれると思います。
料理の手間をなくす工夫
幼児食じゃなくても毎日の献立を考えて、食事を用意するのはとても大変です。それに加えて幼児食も作らないといけないとなると更に負担が増えます。できるだけ手間を抜いて作りたいですよね。
ここでは、普段の幼児食作りの手間をなくす工夫をご紹介します。
- 大人の分と一緒に
- ○○しただけの野菜も立派なおかず
- お惣菜を使う時はひと手間を
まず、薄味だからといって、幼児食と大人用を分けて作る必要はありません。途中まで大人の分と一緒に作ります。そして味付けの前に取り分けます。汁物はお湯で薄めるだけで大丈夫です。味付け以外を一緒にすれば、ずいぶん手間が減りますよね。
そうすると、同じ料理を楽しめます。これが「人参だよ。」「お魚だよ。」と、一緒に食べながら味覚を育てる事もできます。
そして、切っただけ、茹でただけ、レンチンしただけの野菜も立派なおかずです。新鮮な野菜は何も味付けをしなくても大人だって美味しいと感じます。子供と一緒にそのままの野菜の味を楽しむのもいいですね。
忙しいときや疲れているときはどうしてもお惣菜を使いたくなります。そんな時は、熱湯にくぐらせて味の濃い所を洗い流しましょう。少しだけ手間ですが、味の濃い所を落とすだけで幼児食の代用にできます。
【まとめ】いつまでか、どのくらいかを正しく知って薄味の幼児食で味覚を育てよう!
薄味の幼児食がとても大切なものだと分かりましたね。最後に、もう一度いつまで続けないといけないのか、塩加減はどのくらいにしないといけないのかをまとめます。
- 3歳頃までは必ず薄味
- できれば10歳まで味覚の発達を意識したい
- 1食あたりだと食塩は1g以内がベスト
- 大人の料理の1/3~1/2くらいの味付けを意識しよう。
毎日の料理は本当に大変です。ましてや子供の分だけ薄味で用意するのは面倒です。だけど、3歳までの数年間頑張るだけでその子にとって食はとても豊かで幸せなものになるのです。
時には手を抜きながら、大人も一緒に楽しみながら、薄味の幼児食を頑張ってみましょう。