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妊娠中の高血糖は食事管理で治る?血糖値を下げる工夫の仕方

妊娠中で特に健康状態には気を付けていたのに、いきなり病院で高血糖と診断されて不安になっている妊婦さんは多いのではないでしょうか。高血糖は自覚症状があまりないため、診断されて初めて知るケースがほとんどです。

お腹の赤ちゃんへの影響を考えると、すぐにでも改善したいですよね。血糖値が高くなる妊婦さんは少なくありません。妊娠中は妊娠していない時と比べて血糖値が上がりやすいからです。

 

妊娠中に血糖値が高くなっていた場合、お医者さんに食事管理をするように言われると思います。しかし、食事管理なんてどうすればよいか分からない方がほとんどではないでしょうか。

正しい食事管理の仕方を知ることで、血糖値のコントロールが可能です。そのために、高血糖と診断された時に心掛ける正しい食事管理の仕方をご説明します。

 

妊娠中の高血糖は食事管理で改善できるってほんと?

高血糖に不安を持っている妊婦さんも安心してください。 妊娠中の高血糖の多くは、正しい知識で食事管理をするだけで改善することができるのです。では、なぜ食事管理で高血糖を改善できるのかをご説明します。

 

妊娠中は血糖値が上がりやすくなる理由

妊娠中に血糖値が高いと診断されると不安になりますよね。しかし、検査の数字だけを見て焦りすぎる必要はありません。妊娠中は妊娠していない時に比べて血糖値が上がりやすくなるからです。

食べ物が体内に入ると消化・吸収されブドウ糖(血糖)となって血液中に入っていき、それをインスリンというホルモンがエネルギーに変えていきます。

 

しかし、妊娠中は胎盤からインスリンの働きを阻害するホルモンが分泌され、インスリンが効きにくくなってしまいます。そのため、妊娠中は血糖値が上がりやすくなるのです。

高血糖の判断基準が妊娠中は厳しくなることも原因の1つ。妊娠していない時は正常だった数値が、妊娠中は血糖値が高いと判断されることがあります。

妊娠中に血糖値が高いと診断された場合は、落ち着いて改善していくようにしましょう。

高血糖が赤ちゃんやママに与える影響

血糖値が高いまま放っておくと、赤ちゃんに様々な悪影響を及ぼします。高血糖が赤ちゃんへ与える影響をよく理解して、改善したい意欲を保ちましょう

 

高血糖が赤ちゃんやママに与える影響
  • 早産、羊水過多症
  • 巨大児、先天奇形
  • 低血糖症、呼吸障害

では、どうして高血糖が赤ちゃんにこのような悪影響を与えてしまうのでしょうか。

妊娠中に必要以上のエネルギーを摂取すると、ママの血液中のブドウ糖が胎盤から赤ちゃんに運ばれます。それに反応して赤ちゃんもインスリンを出しますが、インスリンは成長ホルモンでもあるため大きくなりすぎる等の合併症が出やすくなるのです。

 

その結果、大きくなりすぎた赤ちゃんは産道を通る時にケガをしてしまうことも。また、お腹の中が高血糖の状態で過ごしてきた赤ちゃんは血糖値を下げる力が強く、産まれた時に赤ちゃんの血糖値が下がりすぎて低血糖になってしまいます。

食事管理で高血糖が改善する仕組みとは?

高血糖は、産まれてくる赤ちゃんの人生を左右するかもしれない大変なことです。それを、本当に食事管理だけで改善できるのか心配ですよね。

 

血糖値は、糖質を一気に吸収してしまうと上がりやすくなります。そのため、糖質をゆっくりと吸収できるような食事に変える必要があり、その方法が食事管理なのです。

 

こちらは、栄養素が血糖に変わる速度と割合を表しています。

食事と血糖値の関係

引用:社会福祉法人 恩賜財団 済生会

糖質が他の栄養素と比べて、血糖値を上げる速度がいかに速いのかが伝わりますね。特に妊娠中はインスリンが効きにくくなっているため、ブドウ糖が分解しきれずにさらに血糖値は上がりやすくなります。

 

お米やパンなど主食となるものは、糖質を多く含んでいます。実は健康を意識して雑穀米にしたとしても、糖質量は白米のごはんとあまり変わりません。

 

そのため、食事を工夫して糖質をゆっくりと吸収できるように変えることで血糖値をコントロールしていくことが重要になるのです。正しい食事管理をし、通常の妊婦と同じ血糖値に戻すことを目標にしましょう。

 

もし、食事管理だけで改善が不可能な場合には管理入院インスリン療法を行いますが、まずは食事を見直すことが大切です。

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妊娠中の高血糖を改善するために食事の仕方を変えてみよう!

高血糖になると、食事の仕方を血糖値が上がらないように変える必要があります。高血糖を改善するための食事の仕方のポイントは3つです。

 

  1. 食事の量
  2. 食事のリズム
  3. 食べ方

 

この3つのポイントを変えるだけで、血糖値をコントロールすることが可能です。順番に解説していきます。

①食事の量

妊娠中の血糖値をコントロールするためには、食事で適正なエネルギーを摂ることが大切です。多すぎると血糖値が上がり、少なすぎると赤ちゃんの成長に必要なエネルギーが足りなくなります。まずは、どれくらいのエネルギーを摂るべきなのかを知りましょう。

 

妊娠中の目安となる適正エネルギーの計算式がこちらです。

 

適正エネルギーの求め方

標準体重(kg)×30kcal+付加量

(標準体重=身長(m)×身長(m)×22)

【付加量】

  • 妊娠初期(16週未満)・・・・・・50kcal
  • 妊娠中期(16~28週未満)・・・250kcal
  • 妊娠後期(28週以降)・・・・・・450kcal

 

(例)妊娠中期で身長153cmの場合

標準体重は1.53m×1.53m×22=51.4kg(四捨五入で51kg)

51kg×30kcal=1530kcal

1530kcal+250kcal(妊娠中期)=1780kcal

 

適正エネルギー量はおよそ1800calとなります。

妊娠中は、妊娠していない時と比べて多くのエネルギーを必要としています。必要なエネルギーの量は、赤ちゃんの成長により変わるため妊娠週数により決められた数が足されます。

 

活動量や体型によっても変わってくるため、あくまでも目安として超えすぎない程度を目指していきましょう。

 

もし、自分でカロリーを調節するのが難しい場合は、宅配食を利用すると便利です。宅配食には、カロリーや糖質を抑えたメニューを扱っているサービスもあります。ぜひ、参考にしてみてください。

 

②食事のリズム

血糖値の上昇を抑えるためには、食事のリズムを変えることが大切です。1日に必要なエネルギーを5~6回に分けて食べる分食をするようにしましょう。

 

妊娠中は妊娠していない時よりも食後の血糖値が上がりやすくなっています。そのため、必要なエネルギーを3食で摂ってしまうと血糖値が一気に上がってしまい、高血糖になってしまうのです。

 

分食は、3回の食事の間に捕食と呼ばれるおやつを2~3回食べて、常にお腹が空かない状態を保ちます。ただし、急激に血糖値を上げないことが目的ですから、おやつとはいえ捕食に糖分の多いものを食べることは控えましょう

 

でも、捕食を毎回用意するのって大変。

そういう時は、小さいおにぎりをいくつかストックしておくようにしましょう。また、ヨーグルトや市販の大豆バーなどを使えば手間もかからないのでオススメです。

③食べ方

血糖値の上昇を穏やかにするための食べ方で重要なのは、食べる順番です。お腹が空いていると主食から食べたくなりますよね。その気持ちをぐっと抑えて、野菜から食べるようにしましょう。

 

野菜→肉や魚→主食の順に食べることが重要です。初めに食物繊維の多い野菜から食べることで、糖質の吸収を穏やかにしてくれます。肉や魚をご飯と一緒に食べたい時には、少しだけ残して最後にご飯と一緒に食べるようにしましょう。

芋類、カボチャ、とうもろこしは野菜ですが、糖分が多いため主食に含まれます。

 

また、よく噛んで食べることも大切です。よく噛むことで満腹感を得られやすくなることや、食欲のコントロール、食後のエネルギー代謝の増加などの効果があります。1回の食事に15分かけて食べるようにしましょう。

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妊娠中の高血糖にはどんな食材を使った食事をすればいいの?

妊娠中に高血糖と診断された時にどのようなものを食べればよいのか悩みますよね。野菜を多めに摂ることがオススメですが、その中でも血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材があります。そういった食材を適度に取り入れることで高血糖を改善する手助けになります。

 

1番大切なのは栄養バランスのとれた食事をすることです。高血糖を早く治したいからと極端に同じ食材ばかり食べずに、糖質、たんぱく質、ビタミン、ミネラルなどの栄養をバランス良く摂ることを意識しましょう。

 

ここでは、血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材とそれらを使ったオススメのレシピをご紹介しますので、ぜひ作ってみてください。

血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材

血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材とは、インスリンの分泌を促してくれ、血液中のブドウ糖が増えないように働きかけてくれる食材です。

 

また、ミネラル食物繊維は、不足するとインスリンがうまく働かなくなることがあるので、積極的に摂ったほうがよい栄養素といえます。では、具体的にはどのような食材を摂ると良いのかご説明します。

玉ねぎ

玉ねぎはミネラルが豊富でイソアリインという成分が含まれており、インスリンの働きを助けてくれる作用があります。

 

玉ねぎは料理にも使いやすく毎日の食生活に取り入れやすいですが、糖分も含まれているため摂りすぎには注意しましょう。目安として、1日に4分の1~2分の1程度に抑えるようにすることが大切です。

ごぼう

ごぼうはお通じに良いことで知られている通り、食物繊維がとても多く含まれています。また、イヌリンという成分が含まれており、糖を身体に吸収されにくくして血糖値の急激な上昇を防いでくれるのです。

ごぼうは普段の食事では摂りづらいため、手軽に飲めるノンカフェインのごぼう茶を飲むことがオススメです。簡単にごぼうの栄養素を摂取できますよ。

オクラ・納豆

オクラや納豆のネバネバの正体は、ペクチンという食物繊維です。ペクチンが糖質を包み込むことで、腸が糖質を吸収することを防ぎます。そのため、食後の急激な血糖値上昇を抑制してくれるのです。

 

また、納豆は混ぜるだけでおかずの1品になり栄養素も高いので、積極的に取り入れるといいでしょう。

酢の酢酸にも血糖値の上昇を抑える働きがあります。納豆に少しだけ酢を加えて食べるアレンジをすることで、より血糖値の上昇を抑えてくれるでしょう。

マイタケ

キノコ類は食物繊維を多く含んでおり、血糖値の上昇を抑えることが期待できます。その中でもマイタケの食物繊維は熱に強く、加熱調理後の食物繊維の含有量はきのこの中では1番といえます。

 

また、マイタケにはX-フラクションというインスリンの働きを助けてくれる成分が含まれており、炭水化物を糖質に変化させることを防ぐ働きもあります。

海藻類

食物繊維を多く含んでおり、ネバネバ成分のアルギン酸フコイダン血糖値の上昇を穏やかにしてくれます。

 

また、海藻類は低糖質、低カロリーなところが高血糖の方には嬉しいところです。ただし、味をあまり感じないため、ドレッシングなどをかけすぎてしまうと塩分の摂りすぎになるので注意しましょう。

ドレッシングを使用する場合は、ノンオイルや塩分控えめのドレッシングを使用することをオススメします。

血糖値の上昇を穏やかにしてくれるオススメレシピ

血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材を使ったレシピを2つご紹介します。どちらも簡単で美味しいので、ぜひ参考にして作ってみてください。

 

きのことオクラのかきたまスープ

血糖値の急上昇を防いでくれるきのことオクラを使ったスープです。野菜をたっぷり入れることで満足感も得られます。

ソース画像を表示

引用:ヤマサ

材料 2人分
  • きのこ・・・・・・・好きなものを適量
  • オクラ・・・・・・・2~3本
  • 大根・・・・・・・・少量
  • キャベツ・・・・・・2枚
  • 卵・・・・・・・・・1個
  • あごだしつゆ・・・・適量
作り方

①鍋に水と中華だしを入れて煮立たせる。

②切った野菜を入れて火が通るまで煮る。

③あごだしつゆで味を調整する。

④卵を回しがら入れる。

 

ごぼう入り豆腐ハンバーグ

ふわっと*お豆腐ハンバーグ*ごぼう入り

引用:クックパッド

食物繊維たっぷりのごぼうを使ったヘルシーな豆腐ハンバーグです。

材料 2~3人前
  • 鶏ひき肉・・・150g
  • 豆腐・・・・・2分の1丁
  • 玉ねぎ・・・・4分の1玉
  • ごぼう・・・・1本
  • 卵・・・・・・1個
  • 片栗粉・・・・大さじ1
  • 塩コショウ・・少々

作り方

①ごぼうはささがきにし、水洗いをする。

②玉ねぎはみじん切り、豆腐は水を切る

③鶏ひき肉、卵、豆腐、片栗粉を混ぜ、水切りしたごぼうを加え、塩コショウする。

④空気を抜きながら形を作り、油をひいたフライパンで焼く。

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高血糖は治したいけれど、妊娠中に食事を我慢する自信がない時には?

食事管理は1日に摂るべきエネルギー量が決められているため、食欲を抑えなければいけません。食べたいものを我慢することも必要になってきます。

 

食事管理なんて食べるのが大好きな私にできるだろうか・・。

と食欲を自制できるか不安な方には食べたい欲に勝つ方法があります。

 

①楽しめることを見つける

妊娠中は安静でいることが多いため、退屈だと感じてしまいがちです。そんな時の脳は楽しいことを求めます。食べることが楽しいことだと知っているからです。

 

だからお菓子などに手を出して欲求を満たそうとしてしまうのは、自然なことだといえます。つまり、退屈だと感じた時に食べること以外の楽しいことをすればよいのです。まずは、自分が楽しいと思うことをリストアップしてみましょう。

 

したいと思った時に簡単にできるもの、食事をイメージしないものにすることがポイントです。

 

②食べたあとはすぐに歯を磨く

必要な食事をした後は、すぐに歯を磨く習慣をつけましょう。歯を磨くことで口の中がスッキリし、食事が終わったという合図を脳に送ることができます。また、妊娠中は虫歯や歯周病になりやすく、その予防にも効果的です。

 

③低カロリーの食材を食べる

なにか食べたくなった時には野菜スープがオススメです。たっぷり野菜を入れれば食べた時に満足感も大きく、カロリーも控えめになっています。ただし、ベーコンやウインナーを入れるとカロリーが高くなってしまうため、野菜だけにしておきましょう。

 

また、どうしても甘いものが食べたくなった時には、甘みがあり低カロリーなフルーツを食べるようにしましょう。特に、りんごオレンジが栄養素もたくさん含んでいるためオススメです。

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【まとめ】正しい食事管理をして妊娠中の高血糖を乗り切ろう!

妊娠中に高血糖を診断された場合の多くは、正しい食事管理をすることで改善できることをお伝えしました。それでは、正しい食事管理の仕方を振り返ってみましょう。

 

高血糖を改善する食事の仕方
  • 適正なエネルギーを摂る。
  • 分食をする。
  • 野菜から食べる。
  • よく噛んで食べる。

血糖値の上昇を穏やかにする食材
  • 玉ねぎ
  • ごぼう
  • オクラ・納豆
  • マイタケ
  • 海藻類

 

妊娠中に高血糖と診断された時には食事の仕方を変えて、血糖値の上昇を穏やかにしてくれる食材を摂ることが重要です。正しい食事管理を心掛け、これから産まれてくる赤ちゃんのためにも改善を目指していきましょう。