妊婦の皆さん、食事で塩分を控えることを意識していますか?
妊娠中は自分や赤ちゃんの病気を防ぐために、普段よりも塩分を控えなければいけないとされています。でも食べる量が増えるのに塩分量は増えないようにすることって、難しいですよね。献立やレシピにも悩んでしまいます。
この記事では皆さんに
- 塩分はどんなものに多く含まれているか
- 塩分控えめレシピで自炊する時のコツ
- 塩分が気になるときのおすすめレシピ
このようなことについてお伝えします。
効果はあったので、きっと皆さんにも役立つはずです。

Contents
妊婦さんは普段のレシピや食事を見直そう

日頃の食事を塩分控えめにするには、外食や既製のお弁当ではなく自炊料理を食べることをおすすめします。
妊婦さんが塩分を取りすぎると、むくみや高血圧になりやすくなります。その結果、「妊娠高血圧症候群」という病気を引き起こしかねません。
「妊娠高血圧症候群」とは、お母さんの腎機能に異常が起こったり赤ちゃんの発育が悪くなったり、母子ともに危険な状態になる恐ろしい病気です。
こういった病気や体調不良を防ぐために、妊婦さんは1日の塩分摂取量が約7~8gになるようにしましょう。
塩分が多く含まれている食事は、例えばこちらになります。
- 外食
- コンビニ弁当
- インスタント食品 など
これらは分かりやすく美味しさを感じられるよう、調味料を多めにして作られています。長く保存がきくようにするためでもありますね。メニュー表やパッケージに塩分量が書いてあることがありますので、よく確認してみましょう。
妊婦さんにおすすめのレシピを検索しても、作る気が起きない、今日は忙しいなんて日にはついついこれらを利用していませんか?
それも仕方ないことですが、出来るだけ避けましょう。代わりに、保存料いらず、かつ自分で塩分を調節できる自炊をすべきです。

レシピに悩む前に知っておきたい!妊婦さんが自炊で塩分控えめにするコツ

塩分量を減らす目的で自炊する時には、1つポイントがあります。それは、使う調味料に気をつけることです。
実はほとんどの塩分は、調味料から出ると言われています。代表的な調味料に含まれる塩分約1gの量を見てみましょう。
- 醤油:小さじ1
- 味噌:小さじ1杯強
- 中濃ソース:大さじ1杯
- ドレッシング:大さじ2杯
- マヨネーズ:大さじ4杯程度
普段何気なく使う調味料ですが、意識して考えてみると、塩分をよく取っていることが分かりますね。1日の塩分摂取量目安の約7~8gなんて、あっという間に超えそうです。
では調味料を極端に減らせばいいかというと、それはなかなか難しいでしょう。まず食事は美味しくありません。ストレスにもなり、塩辛いものが食べたくなって、ドカ食いしてしまうことも考えられます。
そこで、減塩しつつ美味しい食事をつくるコツ3つがこちらです。
- 薬味やハーブ類で味付けする
- 減塩の製品を使う
- 天然の食材を使う
①薬味やハーブ類で味付けする
生姜、にんにくやバジル、タイムなどで味付けすると、使う調味料の量を減らすことが出来ます。ぴりっとした辛味やいい香りは気分もすっきりさせてくれるでしょう。レシピのレパートリーもぐんと増えますよ♪
②減塩の製品を使う
減塩しょうゆ、減塩味噌など、最近は減塩にこだわった商品が数多く見られます。減塩していてかつ美味しいので、普段通りのレシピで料理が出来て嬉しいですね。妊娠を機に調味料を減塩製品に切り替えるのも良いかもしれません。
③天然の食材を使う
例えばお汁物を作る時、顆粒だしを使っていませんか?実は顆粒だしは、製品にもよりますが天然のだしよりも圧倒的に塩分量が多いのです。顆粒だしよりも、かつお節や昆布など自然由来の食材を使ってみましょう。
自炊する際にはぜひ以上のコツを取り入れてみてください。

自炊のコツを実践しよう!妊婦さん必見の塩分控えめレシピ
ここからは実際にコツを使ったレシピ例を見ていきましょう。どれもぱぱっと手軽に作れちゃいますよ。
①薬味やハーブ類で味付けするレシピ

「鶏もも肉のタンドリーチキン」
組み合わせるスパイスで味付けは無限大です。ぜひお気に入りの配合を見つけてください。
材料(2人分)
- 鶏もも肉 2枚
- 無糖ヨーグルト 100g
- カレー粉(クミンやコリアンダーでもOK) 大1
- ケチャップ 大1
- すりおろしニンニク 小1
- すりおろし生姜 小1
- ハーブソルト(お好みの市販品をお使いください) 小1
手順
- 鶏もも肉は一口大に切ります。
- 鶏もも肉と他の材料をボウルやトレイに入れて混ぜ、冷蔵庫で30分〜1時間ほど寝かせます。
- フライパンに油をひき、弱火でじっくり焼きます。
ハーブやスパイスなんて使ったことがないから手を出しにくい、という方には市販の「○○の素」をおすすめします。すでに香辛料などがブレンドされたものが入っていますので、それで味付けするところから始めてみてはどうでしょうか。
②減塩の製品を使うレシピ
「小松菜とにんじんのごま和え」
こちらの料理では減塩製品の「味の素 お塩控えめの・ほんだし」が使われています。料理工程が少なめで簡単♪
材料(2人分)
- 小松菜 1/2束
- にんじん 3cm
- (A)すり白ごま 大さじ1
- (A)「お塩控えめの・ほんだし」 小さじ1/2
- (A)砂糖 小さじ1/2
- (A)しょうゆ 小さじ1/3
つくり方
- 小松菜はサッとゆで冷水にとり、水気をしぼって4~5cm長さに切る。にんじんはせん切りにする。
- ボウルにAを入れて混ぜ合わせ、(1)の小松菜・にんじんを加えてあえる。
最近はどこの食品メーカーも減塩の製品をつくってくれていて、ありがたいですね。食品メーカーのホームページに減塩レシピを載せてくれているところも多いです。
③天然の食材を使うレシピ

「茄子の浅漬け」
茄子だけでなく、写真のきゅうりの他に白菜やパプリカなどでも出来ます。お好みの野菜でどうぞ。
材料(2人分)
- かつお節 1パック(15g)
- 昆布 1枚(15g)
- 水 1000ml
- 差し水 100g
- 茄子 2本
- 塩 小2
手順
- 水と昆布を1時間ほど鍋に入れておきます。
- その鍋を弱火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出します。
- 弱火のまま加熱を続け、沸騰したら差し水を鍋に入れます。
- かつお節を入れて、沸騰しないように加熱し、アクを取ったら火を止めます。
- キッチンペーパーなどを載せたざるでこします。これがかつお節と昆布の和風だしとなります。
- 茄子を食べやすい大きさに切ります。
- だしと茄子と塩を袋に入れて、1時間ほど漬け込みます。
かつお節や昆布以外にも、しいたけ、いりこ、鶏がらなどだしを取る食材はいろいろあります。とっても奥が深くて、探究していくのがどんどん楽しくなりますよ。

塩分控えめどころか取りすぎ?と感じる妊婦さんはカリウムのレシピを作りましょう

気にかけていても、ついつい塩分を取り過ぎてしまうことはあるでしょう。
取りすぎた塩分を体から出したい!そんな時に体に良いのはずばりカリウムです。
カリウムには、体内の塩分を尿とともに排出させる働きがあります。
高血圧を予防したいなら、カリウムを1日約3500mg摂取するとよいとされています。3500mgだと、切り干し大根100gくらいですね。普通の妊婦さんなら、1日約2600mg以上が推奨されています。
カリウムは藻類・芋類・豆類などに多く含まれています。例えばじゃがいも、枝豆、ほうれん草など、カリウムだけでなく鉄や葉酸たっぷりの食材で減塩レシピを考えたり選んだりするといいでしょう。下にそれぞれのレシピ例を紹介しています。
また、カリウムは茹でるもしくは煮ると減ってしまいます。食材を調理する時は焼く・蒸す・レンチンするなどしましょう。
藻類でカリウムを取るレシピ
藻類でいうと、昆布・ひじき・あおさ等に多くカリウムが含まれています。

「あおさと油揚げの味噌汁」
鉄分がふんだんにありますので、貧血予防にもなります。味噌汁なら薬や注射より手軽に毎日鉄分を取り入れることが出来ますね。
材料(2人分)
- あおさのり 1g
- 油揚げ 1枚
- かつお節と昆布の和風だし(「茄子の浅漬け」の和風だし) 400ml
- 味噌 小1
手順
- 油揚げにお湯をかけて、食べやすい大きさに切ります。
- だしを沸騰させて、油揚げとあおさのりを入れます。
- 煮立ったら火を止め、味噌を入れます。
芋類でカリウムを取るレシピ
芋類では、さつまいも・里芋・長芋等に多くカリウムが含まれています。これらは妊娠中期以降に悩まされがちな便秘にもよく効き、嬉しい食材ですね。
「さつまいものポタージュ」
温かくても冷ましても美味しいです。さつまいも特有の甘さが糖質制限中の妊婦さんにも嬉しいですね。
材料(2人分)
- さつまいも 2本(200g)
- 玉ねぎ 1玉の半分
- 水 200g
- コンソメ 1個
- 牛乳 100g
手順
- さつまいもは皮をむき、一口大に切って水に10分ほどさらします。玉ねぎは薄くスライスします。
- さつまいもと玉ねぎをボウルに入れて、500wで6分ほどレンチンします。
- フードプロセッサーやミキサーにかけます。もしくはフライパンで加熱しながらつぶします。
- つぶしたさつまいもと玉ねぎに水、コンソメ、牛乳を加えてなめらかになるまで混ぜます。
- お好みでパセリや黒こしょう、黒ゴマを加えます。
豆類でカリウムを取るレシピ
豆類では、大豆・小豆・枝豆等に多くカリウムが含まれています。

「枝豆とほうれん草のベーコン炒め」
こちらは葉酸が豊富なレシピになります。わかめやさやえんどうを加えてもさらに効果的でしょう。
材料(2人分)
- むき枝豆 50g
- ほうれん草 100g
- ベーコン 50g
- 黒こしょう 適量
手順
- ほうれん草の根元を切り、3cm幅に切ります。
- フライパンにオリーブオイルをひき、ベーコンを炒めます。
- ほうれん草とむき枝豆をフライパンに加えます。
- 黒こしょうで味を整えます。

【最後に】塩分控えめなレシピで病気予防しながら妊婦生活を送りましょう♪

ここまで塩分控えめなレシピとそのポイントを見てきました。いかがでしたでしょうか?
- 外食やインスタント食品は避けて自炊する
- 自炊では調味料を意識してレシピを作る
- 塩分を排出してくれるカリウムを取りこむ
私はこんな感じで塩分控えめにしようと気をつけたところ、尿蛋白陰性になって、病院の先生から指摘されなくなりました。助産師さんにも良い食生活になるよう心掛けてるんだねと褒められました。
妊婦のみなさんも以上のことを踏まえて、普段の食事を見直してみてください。皆さんとお腹の赤ちゃんが幸せに過ごせることを願っています。